女子刑務所あるある情報笠松編:心の雫Vol.15
皆様お元気ですか?半年ぶりの投稿です。プリズンライターズ・リポート VOL.5(プリズンライターズの投稿を掲載した冊子)を読み、圧倒されてなかなかペンが取れませんでした。
皆様ひとりひとりがしっかりとした意見を持ち、過去を見つめ更生への道を真摯に進んでいる姿が目に浮かびます。
それに比べて私は……と思うと、しばらく 落ち込んでいました。
私の原稿は単なる自分の生活を記しただけで皆様に読んで頂ける内容ではないような気がしました。
前置きが暗くなりましたが一応現在私は、どのような状況になっているのか知りたい方もいるでしょうから私の言葉で伝えます。
まずは明るい話題から。
① 最近流行していること、シッカロールです。
エッと思いますが、ちょっと以前と違い匂いが良くなったのです。それで パタパタと若い子たちはつけています。
特に夜眠るときは、体中につけ、匂いの中で眠っています。真夏は少し控えたようですが冬から春にかけては、大人気でした。
② また、大阪拘置所から来る人たちの持っている石鹸や筆入れ、ディズニーのキャラクターのタオルやハンカチが人気です。
こちらではヒートテックの下着が購入できませんので持っている人には羨望の眼です。
③ また意見提案用紙入れという昔の目安箱のようなものがあります。
刑務所でこんな提案したところで聞いてもらえないと思うのですが、時々改善されます。
最初は一応形だけのものかなって思い、入れたことはなかったのですが、工場全員で提案していましたら、けっこう習慣になり、抵抗なく提出できるようになりました。
④ 残念なことは食事です。物価高なのでしょう、パンの回数が6回から4回に減り、そのうちの2回は冷凍食パンで、味がイマイチです。
普通のコッペパンがとてもおいしく感じます。副食で人気なのは南瓜きんとんとか、いとこ煮、さつまいもの甘煮やバター煮ですが、分量が半分くらいしかなくなりました。やりくりが大変なのでしょうね。
⑤ コロナ情報で、最近またポツポツとコロナになる人が増えています。ついこの間まではいなかったのですが。
1、2か月前は他の工場が、3週間前には私たちの工場で1人が罹りその人が戻ってきたと思ったら、次の人が罹りと、残念な状況です。
本人も大変なのですが周囲の私たちも大変なのです。全員が出業時にはマスク着用です。
そして交談禁止です。自由運動の時間の講堂では(夏は運動場には出ません)ひたすら体操です。
工場内での運動は1/3くらいですが、希望者はずっと体操することができます(私はずっと体操組)です。
工場が休みになる訳ではありませんのでその点はありがたいです。
⑥ 8月に雑居から独居へ移りました。開放なので廊下を歩いてトイレや流しに行くことができます。
独居に戻ったのは5年ぶりでとても嬉しいです。しかし、会話が全く無いのが寂しいです。
工場はコロナの影響で話せません。班長さんと、ほんの少し話す程度です。
部屋に帰るともう誰とも話せません。それでも、独居がいいですが。
短歌です
・ 限りある命の時計進みゆきいとおしきかな小さな花も
・ 「行ってきます」手を振りながら送り出し明日もあると信じたあの日
・ うたかたの夢のひとつと逃げ込めど涙こぼれる子等との別れ
・ ラップにてお礼の言葉を伝えたる二十代とはまぶしき世界
・ まろびゆくカルガモ親子の引っ越しにあの人この人笑みの戻れり
・ 職員のマスクの形状見るだけでコロナ前線危険度を知る
・ 清らかな水の流れを恋ふ白鷺(とり)の母子(ははこ)であるか 夕月の降る
それでは皆様お元気で
2024.9.20.
A289さんの投稿
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