出所者の支援

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 出所者の支援

「ほんにかえるプロジェクト」は、主に書籍の無償提供と文通を通じて更生のきっかけ作りに邁進してきました。
とはいえ、本当に更生できるかどうかは出所後の実践がとても大事です。
多くの受刑者が手紙で訴えるのは、出所後の住まいと仕事がないという現状です。
法務省発行の犯罪白書を見ても問題が顕著に表れており、再犯者の半数以上は無職・住所不定で占められるのです。

日本では前科がある者にも職業選択の自由があります。
しかし現実問題として在監期間(服役期間)が長ければ長いほど履歴書に書き込む職歴が短く、できる仕事もそれほど多くありません。
単純な肉体労働を強いられることが多いです。

一方、住まいの問題も同様で、悪友のいる地元を離れて暮らさねばならない出所者にとって、新しいスタートを切るには家なり寮が必要です。
過去の犯罪ゆえに家族と疎遠になりがちな出所者にとって、部屋を借りるのも難儀であるケースが少なくありません。

これまでの7年間、そうした「出所者への支援」に、私は個人的に取り組んできました。
幸いにも今、国は再犯問題に取り組み始め、公的支援についての法制度も整えられつつあります。
民間団体や企業も関心を示し始めた中、人員や資金不足のままではありますが、今後は「ほんにかえるプロジェクト」として更生支援を完結させるため、出所者の住まいと仕事探しをサポートします。

長期間の受刑生活をしてきた者にはリハビリが必要です。
「ほんにかえるプロジェクト」では過去の更生支援経験から1年間だけの生活保護を出所者に提案しています。
まずは日常生活ができるように行政の力も借り、外での生活をサポートしています。

すぐに働ける者には協力企業に仕事の確保を依頼します。住まいも企業に協力をお願いしています。
どんなにサポートしても一定数の挫折者は生まれます。
その都度スタッフが企業に頭を下げ、謝るしかないのですが、それでも私たちはこの努力が更生につながると信じ、出所者が出るたびに心を新たにして、更生の可能性を信じてサポートしてまいりました。

どうか皆様のご協力をお願い申し上げます。

ほんにかえるプロジェクト 事務局長 汪楠