「心の雫」短歌10首 vol.7

暑中御見舞い申し上げます 

 暑い夏本番がもうすぐですね。いかがお過ごしですか?今週の天気予報は雨や曇りが多いうえにクーラーがこまめに入り、例年よりは、はるかに涼しく感じています。 

 昨年の夏はエアコンが廊下に無かったため、扇風機と夜間のアイスノンだけで過ごしていました。アイスノンも凍っていれば朝まで効果が保たれるのですが、凍りきらない状態で届きますので真夜中には温かくなっています。それでも無いよりは有り難く感謝していました。今年は部屋には無いのですが廊下にクーラーが入りますと小さな開口部から冷たい空気が少し入ります。真夏の暑さではどうなるかわかりませんが新たなチャレンジです。 

 話は変わりますが、私の生活に大きな変化がありました。昨年の出来事として班長になったり寮委員になったりと報告しましたが七月上旬に懲罰となり全ての職を失いました。痛恨の極みです。最終的には自業自得であるという結論で一から出直しです。 

積み上げてきたものが崩れるのはあっという間で、自分でも夢の中の出来事のようです。何度も名札のバッジの色を見て、現実なのだと自分に言い聞かせています。 

 社会でいえばスピード違反かタバコのポイ捨て程度のことでも、受刑者にとって規律違反を犯すことは重大事件なみのことです。 

 また、同じ日の朝、足に怪我をしまして、これも発覚してしまい、二重に責められました。足の怪我は部屋で使っている小机を足の上に落してしまったというそれだけのことですが、痛みが激しく、骨にひびが入ったと思いました。 

 ちょうど在庫調べをしていた時期でしたので、自分の手で完了させたかったのです。朝から夕方まで足の怪我を隠して作業していたのですが、めったとない夕方の捜検で違反行為が発覚、調査に入ったところで足の怪我が発覚、と踏んだり蹴ったりの一日でした。 

 二週間を費やし、やっと作業に復帰しましたが戦線を離脱した私は細々と机の上の小さな作業をこなしています。 

 人生山あり谷ありと言いますが、まさに谷底に落ちた羊の心境です。周囲が皆狼に見えます。これから一歩一歩崖を登らないといけません。体力、気力が持つかどうか心配ですが、深く反省する時ですので頭を低くし、目立たないように生活しています。 

 そういうことで今月は懲罰房の出来事、心境を中心に短歌をつくりました。 

 安倍元総理の銃撃のニュースはちょうど懲罰中のことで新聞が読めず、7時のラジオのニュース(この30分位だけは聴くことができます)で知り、驚きました。 

 共同室に戻り、やっと新聞を読み、テレビを観て詳細を知ったものです。(合掌) 

 なんとも言葉が出ず、誰もが複雑な心境になったと思います。 

 とにかく、私自身は一日一日を真面目に過ごさなくては、と心に誓っています。どうか温かく見守ってくださるようお願いします。コロナ第七波もあります。 

お体には十分気を付けてお過ごしください。 かしこ 

 

 令和4年7月21日 

                           

p.s.  短歌15首です 

流れくる小田和正の歌声に娘(こ)への手紙をしばし止めたる 

沈みゆく心追いかけバラードが我を慰さむ罰房の夜 

コロナ過と熱中症と襲い来てヒトの住む世の狭くなりゆく 

足の怪我なかなか癒えぬ真夏日よ慣れぬ薬を飲みて眠りぬ 

罰房の廊下で起こるドラマには頑固という名の押し引きばかり 

 

心配をしているだろうあの人の涙思いぬ離れてみれば 

また今日も鶏の固形を食べたよね教えてほしき鶏の仕入値 

我が短歌(うた)がSNSに載せられて羽あるごとく外へ飛び立つ 

台風が消えたと聞きしこの夜はラジオのピアノ軽やかなりき 

身勝手な理由で隠す足の怪我天罰かとも夕の捜検 

 

泣き虫の童に戻る一人部屋潤む眼(まなこ)は素直なわたし 

こんなにも心に沁みる楽曲かたったひとりのマリーゴールド(あいみょん) 

隣人も好きなのだろう流れくる歌に合わせたマリーゴールド 

明日からはラジオも聴けぬ罰の身にあいみょんの歌静かに流る 

 

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