宮城刑務所無期囚より Vol.2 金銭事情

今回は誰もが気になる無期囚のリアルな金銭事情にまつわる話。 
受刑者も高齢になり受給要件を満たせば年金が貰えます。 
とは言っても、受刑中の収入は作業報奨金くらいで、年金保険料を払える程ではないので、年金免除申請をして全額免除される。
ただ、過去の年分の追納もムリなので、免除期間中も加入期間となり、国民年金の受給額は、保険料を納めた場合の2分の1、国庫負担分のみ貰える。

社会で仕事をしていた時に保険料を納めていれば、その分も含めて年金が貰える。
しかし、年金を貰える年齢になり、年金事務所に手続きを行うのだが、年金は口座振り込み又は送金通知書が届き郵便局で換金する方法しかない。刑務所の受刑者にお金を届けるには、現金書留か窓口差し入れしかない。
しかし、年金事務所は現金書留で送ってはくれない。送金通知書が2ケ月に1度届いても、受刑者が郵便局に行けず、刑務所もやってくれないので、社会の知人・友人に行って貰い、お金を現金書留で送って貰う必要がある。
また、年金証書は期限が1年しかない。ならば銀行口座へ振り込みなら、貯められるが、ATMで預金を引き出すのを知人に頼む事になる。
しかも、銀行口座も10年以上稼働していないと休眠口座になってしまい、使えなくなるし、銀行によっては、受刑者だと判ると何か理由をつけて解約される事もある。
1度休眠口座になると、本人が窓口へ行かないと解除に応じてくれず、出所してから来て下さいと言うが、無期はどうするのだと言いたい。
私は口座があるけれど、多くの受刑者は持っていない人も多いし、休眠口座になってる人も多い。
ならば新しく口座を開設しようとしても、弁護士に頼んでも難しいし、できたとしてもキャッシュカードは「本人限定受取郵便」なので、刑務所は職員なので受け取れず。 

受刑者が年金を受け取るだけで、こんなに様々な壁があるのだ。すんなり貰えれば、被害弁償もできるのに。
受刑者のお金には、自らの所持金である「領置金」と、作業をして毎月支給される「作業報奨金」という2種類のお金を別々にして施設が管理する。
領置金は自由に使えて、毎月の日用品や本代、新聞代などに使える。現金書留か窓口を通して、社会の人との間で出し入れできる。
作業報奨金は、あくまでも「更生資金」という名目で、原則自由に使う事ができないし、貯まった額は帳簿上の残高でしかない。
ただ、宮城刑の場合、領置金の残高が1万円以下の者は、毎月支給される金額の3分の1の範囲内(月6000円なら2000円)で、日用品・本・新聞代に使う事ができる。
ただ、携帯電話のように使わなかった分を翌月へ繰り越しなんて技は使えず、申し込んだ本が品切れでも終了だし、雑誌が特別定価で1円でも使用可能範囲を超えると限度額オーバーで本はキャンセルされる。

ちなみに、大人のアダルト雑誌で、教育の審査で関誌禁止されると、倉庫に領置されて、出所まで見られずにお金だけ徴収される。
また、刑務所に長年居ると、視力の低下や老眼で眼鏡を購入する時に、指定業者から購入するのだが、メイドインチャイナの安いフレームばかりで、レンズも高い。
安いのもあるけど、ブランド物でもないのに、レンズを高いのを入れると軽く10万する事も。
また、腕が悪くて、現物が来ると度がズレてたり、左右逆に入れられた人も。医療にしても、刑務所の受刑者は保険証が無いので、保険使えず、コルセットも定価で、入れ歯作ろうものなら10万近くする。
年金を貰って現金書留で送って貰い、領置金残高が1万を超えると、作業報奨金は使えなくなる。
だからと言って、作業報奨金だと月15000円位がマックスなので、月5000円しか使えず、これだと、電気カミソリや運動靴は買えない。
書道や絵画を勉強したくても、物品が高く、作業報奨金じゃ厳しい。新聞(朝刊のみ)でさえ4000円はする。

刑務所に居るとお金が無くても生活できるなんて昔の話でしょう。刑務所で買える日用品や本、新聞など全て定価で、沢山使う人でも月2万円位だろう。良く、無期囚同士で話しをする時に、年金や作業報奨金が日用品などを購入していても、貯まっていくばかりで「あの世にお金は持ってけねぇぞ」と言う。年金は厚労省、刑務所は法務省で、銀行は金融庁と縦割り行政の弊害で、年金をスムーズに受け取れれば、被害弁済もできると思うんですけどねぇ…。
受刑者が亡くなって、遺族が居ない時に、残った年金(口座や領置金)や作業報奨金が、国庫へ戻されたり、銀行の収益になる位ならば、そっくり被害者や被害者遺族へ引き渡される仕組みにすれば少しでも意義があると思うのです。
なので、この辺りを内閣府の「再犯防止総合対策委員会」などが主導して、改善してくれないでしょうか。 

 

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