受刑者の作業と作業報奨金の現状・もう見直すべき!
現在、社会では物価上昇が続く中、刑務所では日用品・本など価格が高くなるが、作業報奨金はここ数十年殆んど上がっていない。
「作業報奨金」についてA304さんの「再犯率が減らない理由を考えてみた Vol.3 お金篇②」に詳しいので、参考にして貰いつつ、私なりの見解を書きたい。
「作業報奨金」は10等工から1等工まで10段階の作業賃率に作業時間を掛けた額に、作業態度などの割り増しされた額が毎月受刑者に支給される。
入所して1ヵ月は10等工月¥900(時給7.5円) 、1年して5等工¥3400(時給23.5円)、3年1ヵ月で1等工¥10000(時給56円)になり、5年で1等工7割¥14000(頭打ち)になる。
だが、基本出所後の更生資金という名目で、宮城刑では領置金 (所持金の事)が1万円以下なら、月額の3分の1だけ、日用品・本・新聞代として使える。
しかし、作業等工や賃率は基本全国で同じなので、仕事を頑張る新人より、ダラダラやってる古株の方が多く貰う事が良くある。
また、年令もだし、短期も長期刑も同じである。3年務めて出所時に10万円前後貰えれば良い方。
一方、無期で30年無事故で出所時に300万円前後だろう。
仮に作業報奨金の水準を引き上げると、短期刑なら30万円で良いが、長期間(無期は特に)の出所時に受け取る額が跳ね上がる。
現在、無期の仮釈放は全国で年10人位、1人300万円なら10人だと3000万円の予算が必要になり、無期の仮釈放を増やしにくいのだ。
作業報奨金は支給され貯まったとしても、あくまで紙の上での数字に過ぎない。
出所時に交付されるまでは架空のお金である。刑務作業は基本的に誰でもできるレベルの作業が中心であり、高度な技術を用いる作業は導入しにくい。
最近は、刑務作業の仕事量が減りつつあり、受刑者が著しく減っている施設では企業も仕事量を多く振る事が難しくなっている事情もある。
受刑者が作業する製品単価(企業が支払う)がものすごく安く、企業にとって安価な労働力を得るメリットもあるが、参入には供託金を数百万円負担する事があって、参入を躊躇う要因ではないか。
刑務作業は現在も矯正協会が担っているらしいが、こうした供託金を廃止し、小ロットから生産を委託できるように改善したり、刑事施設も年命や作業技能のレベルを見定め、適材適所で受刑者を配置転換させ、より高度なスキルを習得させたりする事も必要ではないか。
例えば、ベンチャー企業も参入しやすくし、国が重点的に支援する事業で、企業だけでは収益化が難しいが、後押ししたい宇宙関連、EV、半導体などの生産に必要な関連作業を低コストで刑事施設に委託できるといった方向にする事も必要だろう。
また、こうした高度な技術の作業などを作業報奨金の体系を抜本的に見直し、いわゆるジョブ型の作業賃金体系に改めるなどして、成果報酬として賃金を上げると、技術レベルやスキルも上がるだろう。
施設はもう年代や技術レベルなどを公平に保つ事が難しい状況にあり、拘禁刑の導入に向けて、作業の義務ではなくなり、教育・更生を重点に置くと思われるが、作業や報奨金も見直す時期だろう。
2024/6/26
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