滋賀・保護司殺害事件について思う事
滋賀で、保護司が担当していた保護観察対象者から殺害された事件、まずは殺害された保護司の冥福を祈りたい。
事件の容疑者の保護観察処分が残り1ヵ月で終了するタイミングで殺害され、容疑者が何を考えて殺害するまでに至ったのか、今後の捜査などで少しずつ明らかになるものと思われる。
真相については事件前にSNSに投稿していた内容でしか推察できないが、世の中や保護観察制度に対する不満や殺人に対する意識など、歪んだ考えを正当化する傾向が見て取れる。
今回の事件で考えられる懸念としては、一番影響が大きい事として、保護司に不安を与えてしまう事により、辞任する保護司が増えたり、ただでさえ高齢の保護司が引退し、成り手が減る中で、一層成り手の減少を加速させてしまう事だろう。
保護司が減少すれば、1人当たりが担当する対象者が増える事により、負担増が一層成り手不足を招きかねない。
地方では地域に保護司がいない地域も増える可能性も考えられる。
これは保護司に限らず、弁護士なども同じ問題がある。
法務省でも、保護司の成り手不足に対して、今後どの様に成り手を増やしてゆくか、検討されている。
ボランティアで交通費の実費のみを支払っていたのを、報酬を支払う事や、公募制の導入などが検討されている。
この2つの案の導入は私も賛成であるが、更に、面接など相談をリモートによって可能とする案を導入すべきだろう。
リモートでは、対象者を画面でしか見られないと細かな雰囲気や心情を読み取れない可能性もあるだろう。
しかし、対面とリモートの方法を認める事によるメリットを考えるべきだろう。
リモートが可能になれば、遠方でも対応できる上、時間的制約の解消、担当できる人数を増やしやすい、対面では不安がある場合に活用しやすくなるなど、メリットが大きい。
これにより成り手を増やしやすくなる事に繋がる。対象となる者の犯罪特性によって担当保護司を選択しやすくなるだろう。
現在、場合によっては保護司から、保護観察官の対応に切り替える事で安全性を担保するなどしている。
これまでは、保護観察対象者の帰住地によって保護司を選んでいたと思われる。
しかし、リモートであれば、最初から犯罪特性によって担当保護司を柔軟に選ぶ事も可能になる事で、ミスマッチを防ぐ事も可能だろう。
ただ、出所した受刑者などが、社会で更生するために、保護司がどこまで支えられるかや、社会の現実など困難さを極める逆風に対して様々な支援を与える事や、 相談などで選択肢を用意する事が望ましい。
それでも、出所後の更生支援をスムーズに社会に送り出すには、いかに保護司や保護観察官だけでなく、地域の行政による支援制度との連携をうまくできるかも大切である。
更に、出所後に向けて刑事施設の中において、個人ごとに合った更生プログラムも必要ではあると思うが、他に例えば、怒りのコントロールを冷静に対処できるトレーニングだったり、自らの”欲”に対して冷静に保てる心理学的プロセスに基づいたトレーニングメニューも学ぶ必要がある。
また出所が近くなれば、生活に必要な知識や情報など、出所後に困らない為の教育や動画で学べるプログラムも実行するべきだろう。
私は、以前から言っているが、行政ともっと踏み込んで市営住宅の空き家を活用して低い家賃で入居させる事も検討すべきだと思う。
刑事施設でも拘禁刑への移行を控える中で、受刑者の年齢や、犯罪特性など全ての者を一緒にして作業や処遇を公平に行なう事が難しくなっている事もあり、今後は、更生する為に何が必要かを個人ごとに判断して、自ら考え行動できる環境を選択できるようにしたり、施設側をそれらを適性に応じて指導できるようにするべきだと思う。
受刑者、保護観察者を含めて、保護司が減る事になれば、更生支援の体制が揺らぐ事にもなる。
そうならない為にも、真剣に考えてゆく必要があるのだと思う。
2024年6月26日
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