受刑者への物販・殿様商売エームサービスって知ってる?Vol.2言ってはいけない秘密
前回の投稿した記事(受刑者への物販・殿様商売エームサービスって知ってる?)が結構読まれていると報告を受け、第2弾と更に深掘りしてみたい。
最近またまた値上げ。エーム社は価格改定の度に定価にする価格転嫁率100%ですね!
便せん¥275(22円増)、タオル ¥396(33円増)、バージンパルプティッシュ¥315(11円増)、 靴下¥440(55円増) などと、少しの値上げと思われるが、収入が作業報奨金の受刑者にとっては大変。
最近は本なども高いし、勉強したくても、新品の本は高いのよ。なんで定価じゃないと駄目なのか教えて欲しい。
2024年春、受刑者が宮城刑を代理として、エーム社から日用品を購入している事を了承する旨の念書のような書類に署名するよう求められた。
恐らく、エーム社は法人向けの業務用通販のカウネットから仕入れ、受刑者に販売している事を問題だと指摘された場合に備え、予め宮城刑が代理だと言い逃れする為だろう。
矯正協会からエーム社が引き継いでから、既に10年以上経過して、今更の感じがするが、前回の私の記事で指摘した内容との因果関係は定かではないが、決して無関係とも思えない。
こうした書類を書かせた事自体、取引に問題があると理解していると認めたようなものである。
振り返ると過去にも色々と問題があった。エーム社に切り替わった当初、エーム社はカウネットに注文した日用品を近くのヤマザキ製パン工場内の宮城刑務所事務所宛で届けさせ、ヤマザキのトラックで宮城刑に配送させていた。(ダンボールの宛名を確認済)
当時、宮城刑のパン食がヤマザキのコッペパンだったので、エーム社がヤマザキに配送を委託したのだろう。
その頃、受刑者の集会で出される飲料や菓子がやたらヤマザキ系列(子会社の不二家・東ハト含め)の商品ばかり出る時期があった。
宮城刑の集会は1人1回¥500(菓子2~3品と飲料は3種類から1本選ぶ)で、毎回何が出るかは担当部署の職員が決めていたと思われる。
しかし、出るのは見た事もないコーヒーやサイダーなどと、菓子も人気の無さそうな物ばかり出るのだ。
極めつけは、真冬にコールド専用品と書かれた「ミルキードリンク」がホットで出されたので、消味期限を見ると、夏まで持たない日付であった。
つまり、在庫を処分したくて押し付けたのだろう。
納入業者が売れ残りを押し付けられれば一石二鳥であり、宮城刑のパン食がヤマザキが外れて以降、こうした露骨な事は無くなったが、当時はエーム社も集会の菓子や祝祭日の特別食の納入に携っているとの噂も聞いた。
そして、日用品の配送も、数年で刑務所に直接普通の2トントラックで持ってくる様になった。
これは各施設の矯正協会売店と従業員をエーム社が引き継いだからだと思われ、 法務省とエーム社との契約にはこの条件も入っていたと「紙の爆弾」に書かれていた。
2024年2月、法務省は男性受刑者にもリンス・化粧水・乳液・バスタオルの購入と使用を認める通達を全国の施設に出した。
報道もされていたが、全国で一斉に始まった事で、宮城刑では乳液が在庫不足で注文した者も全てキャンセルとなった。
私は、バスタオル以外を注文したが、乳液は6月現在も注文再開していない。
化粧水・乳液は各¥990、 バスタオルは¥1500もする。3月に化粧水が入り、「ウテナ アロエスローション(240ml)」であった。
「ウテナ」?と聞いて知らない人もいるだろう。だが、刑務所では超有名で、全国の施設で昔っから「ウテナクリーム」が売られている。
もちろん、ニベアクリームもあるが、何故か刑務所ではウテナばかり扱うのか?
法務省と何かしら(天下りとか)あるのでは?と訝りたくなる。
エーム社は東証プライム上場企業の三井物産の完全子会社で民間企業であるが、受刑者に販売する商品にCAPIC製品(矯正協会=刑務所製品)が混じっていて、現在宮城刑では CAPICノート ¥226 だけだが、以前はトランクスも売っていた。
どちらもだが、ノートは紙質が再生紙の最低レベルで、背の糊付けがヘタで、使ってると中身のページが抜けたりする事も多い。
以前はコクヨのノートも併売していたが、あまりにCAPICノートが売れなくなるからなのか、コクヨのノートを取り扱いをやめ、現在もノートはCAPICのみ。
昔っから視察委員会にCAPICノートは紙質も最低だし、ページ抜けも多いので、コクヨのノートも併売する様に言って欲しいと意見書を提出したが、全く意見が反映されないまま10年以上経つ。シャンプーは5種類もあるのに。
ちなみに、各施設ごとに取扱う商品や種類に違いがあるのは、エーム社が取扱う商品のリストの中から、各施設が何を扱うかを選んでいるからだそう。
宮城刑は2000年代前半まで一部の物を除いて、筆箱、筆記具、箸や学習用品など規格に合った日用品の外部からの差し入れを認めていたが、大量に入れる者などがおり検査業務の負担増や、矯正協会の物品の売れ行きに影響があるなどの理由で、定規・下敷き以外は差し入れができなくなった。
つまり、受刑者は指定業者( 現在はエーム社)であるエーム社から定価で購入するしか日用品を入手する手段が無いのだ。
だから、品揃えも高めの物になりがちで、品質も今イチだったりする。
靴下なんてグンゼで¥440とかするけど、昔、靴屋に3足¥900とかで売ってる奴の方が良い位。
学習用品も書道の筆なんて高いだけ(1本¥4400~¥11000とか)で質も今イチ。
書道用具全部揃えると¥2700も掛かる。絵画のセットも¥3460もする。被害者の冥福を祈るのに写経用紙は枚数も少ないのに¥1100もする。
また、商品の変更も頻繁で、生産中止なら仕方ないが、突然販売を辞めたり(ノート・ボールペンなど)、 ボールペンの替芯を同じ規格にして貰えば、ストックが使えるのに、わざと違う物にしたがるので、買い替える羽目に。
しかも、インクもすぐ無くなるタイプ(短い)にしたり、消しゴムも小さくてすぐ折れる。
受刑者の作業報奨金はここ数十年たいして上がっていない。入所して1ヵ月の10等工で時給7.5円で月900円位、1年して時給23.5円で月3800円位。3年1ヵ月して1等工で時給56円で月1万2000円位、5年目で上限の1等工7割増で月1万3000円~1万4000円で頭打ち。
宮城はこの月額の3分の1の範囲内で、領置金が1万円未満の者だけ、日用品・本・新聞の購入に使用ができる。
が、3分の1(1万4000円で4666円、900円なら300円)は、日用品も本も新聞も、学習用品も全てコミコミで買う。
書道やってる人は大変だぞ本当に。
作業報奨金は、熟練度という作業等工でしか判断しない為、作業を頑張ってる新人より、ダラダラやってる古株の方が作業報奨金が多いという事も多い。しかも、短期刑でも長期刑でも全国で基本的に同じ金額(少し違うような気もする。他の人の等工の賃金見てると)だから、3年務めても10万円位しか貰えず、30年無事故で出所してせいぜい300万円(使用額にもよるが)とかになる。
これを、短期が少な過ぎると引き上げれば、長期の人が出所時に貰う金額が跳ね上がり、無期が1人300万円で年10人前後出所している(全国で)ので、予算は3000万円が必要になる。
多く出所させても増えるし、作業報奨金を引き上げると...。つまり、そこが背反のジレンマでもある。
今後、拘禁刑の導入を機に見直すべき所は見直すとしても、受刑者を全て公平にという基本原則と、制度上の不備が存在する。
矯正協会の天下り人事や、日用品の価格の高さを国会で指摘され、エーム社が入札で参入したが、結果として日用品価格は大幅に高くなった。
法務省は5年ごとに入札し、業者を見直すとしているが、指定業者の適格要件が、不正物品を持ち込ませない対策や社会通念上と照らしで適正な価格にする事を求め、結果エーム社以外の入札参加が無い事で、随意契約と同じである。
刑事施設の長に受刑者に適正な価格で日用品等の購入ができる様配慮するとの指示があるが、これまで各地の弁護士会(大阪など)が各施設に日用品価格が社会通念上と比較して高過ぎるとの観告も出ている。
だが、各施設はあくまで法務省とエーム社との契約である事から何も出来ないのである。
エーム社は民間企業であり、利益を追求する事は当然だとしても、受刑者が刑務所を通して、エーム社から日用品を購入するしか方法が無い事を利用して、法人向け業販価格で仕入れ、受刑者に定価で売りつける行為は、まさしく”転売ヤー”と変わらない。
これを天下の東証プライム上場企業の三井物産の完全子会社であるエーム社が法務省との契約を盾に行っているのである。
仮に、定価で売るなら、もっと安価な100円ショップの物品を扱うか、指定業者を2社にして、100円ショップの業者を参入させる様にすべきだろう。受刑者は安い商品で十分という人も多いし、選べる選択肢を与えて欲しいだけである。
また、法務省はこうした実情を踏まえ、作業報奨金をせめて欧米など多くの国の水準と同レベルにすべきだろう。
毎月作業をして月900円~月1万4000円の作業報奨金の中から3分の1の範囲で日用品などを購入しているが、法務省とエーム社が、受刑者の出所後の更生資金から利益を得ているという事実を考えて欲しい。
国や法務省は再犯防止として再犯率を減らす取り組みを言うならば、こうした所を早急に改善すべきだろう。
受刑者は犯罪を犯し、刑務所にいるとしても、刑罰は拘禁する事が目的で、強制労働の作業報奨金は欧米と比べても著しく低い。
また、年金の免除申請を行っていることから、老後は国民年金の半額しか貰えない。
受刑者は犯罪を犯し、税金も払わず3食を食べさせて貰っているとしても、日用品や本の購入に消費税は支払っています。
今後、インフレが進めば、利息の付かない作業報奨金は弱いのです。
日用品が高ければ、勉強したくても本を買えない。
勉学に書道や絵画をしたくても高いからできないとか、現状の作業報奨金の現実や、エーム社による日用品の価格の高さが、受刑者の出所後の更生資金を奪っている事を考えて欲しい。
2024/6/20
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前回の投稿した記事(受刑者への物販・殿様商売エームサービスって知ってる?)が結構読まれていると報告を受け、第2弾と更に深掘りしてみたい。 最近またまた値上げ。エーム社は価格改定の度に定価にする価格転嫁・・