ハバかりながらもコンニチハ。A325です。今回はムショにいる外国人について。
人数の差はあっても全国の刑務所に外国人受刑者が必ず収容されている。（「矯正統計年報」より）

横浜刑務所では昨年末（令和5年12月31日）時点で30か国・124人もの外国人受刑者がいる。
同年末の全収容人員が808人なので、ほぼ15%が外国人ということになる。
（「令和5年度　矯正統計報告年表　横浜刑務所」より。こんなモノを毎年調べてるのは私ぐらいだと思う・・・）

私のいる工場は全部で30人しかいないのに、中国・韓国・フィリピン・スリランカ・インド・イラン・アフガニスタン・ペルー・ナイジェリア・ガーナ・・・といった国々から来た受刑者が一緒に生活している。
平均値の倍以上も居るため、タイトルに付けた「ダイバーシティ」もまんざらでもない、と思う。

「そんなに外国人がいっぱいいて上手くやっていけるの？」と思われそうだが、細かなトラブルはあるものの、まぁ何とか上手くやれている。
少し不思議に思うかも知れないが、元々日本でひと儲けしようと企み、言葉もろくに分からない状態で来日して「何とかなる」と思っているような連中だから、ある意味、順応能力が相当高く、「地頭」が良いものが多い。
横浜刑務所では「班長」「衛生夫」の多くを外国人で占めている。
（官側の都合でもあるが今回は割愛。まぁ、どこの世界でも優先されるのは「権力者の都合」だね）
もっとも今のように何となく上手くやれるようになったのはここ10年程のハナシだ。（あくまでも個人の感想です）

25年程前（2000年頃）のムショは「外国人受刑者」と言うと「中国人とイラン人」ばかりだった。
前者は「蛇頭」や「爆窃団」などと巷で言われ、後者は渋谷のセンター街や上野のアメ横でテレホンカードや薬物を売っていたような輩が、大挙して流れ込んできた。
言い方は悪いが、「日本なら楽にカネ儲けが出来る」と乗せられ、自分が使いっ走りの犯罪者になるなど考えもせずに来たような連中だ。
日本人に対するリスペクトなどなく、完全にナメてかかってきた。（※個人の感想ダヨ）
そういう連中がいっぱいムショに流れて来た時代、ムショに来てもシャバの勢いそのまんま・・・みたいな外国人がチラホラいた。
当時の平均的な80名程度の工場で、中国人が5～7人、イラン人が2～4人は居たと思う。

当時20代で血気盛んだった（※ただのバカだった）A325は、そんな外国人に対し「日本の刑務所でヤクザが外国人にナメられたら終わりだ！」といった義侠心に駆られて、実力行使に訴えたことがあったかも知れないと思う。（黒歴史は薄れていくシステムで生きています・・・）
現在も例外的にそういう奴も居るが、当時と比べると本当に和やかになった。

最後に私が府中にいた’07～09年頃の話。
ある日突然「バッカン」（学校給食で使っていた、おかずや汁物を入れるブリキ製の容器）が保温マットで覆われるようになった。
といってもあまりにも頼りなさげなシロモノ（100円ショップで売ってそうな感じ）だったので、「こんなことして何の意味があるんだろう・・・」と思っていた。

そこに仲の良いアフリカ系のフランス人が「あのマットは私の国の大使館が用意させたんだよ」と教えてくれた。
聞けばヨーロッパで冷たいスープを食べさせるのは奴隷と同じ扱いらしい。
その実情を大使館職員との面会で話したら職員がブチギレて、所長を呼び出して3時間も説教をした・・・などと自慢気に教えられた。

個人的に所長に対して3時間云々・・・は「本当かよ？」と思うところはあるものの、罪を犯したとはいえ自国民が奴隷のような扱いを受けたら厳しく抗議するのがヨーロッパの人権感覚だと初めて知った。
日本人の多くが「働かざる者食うべからず」と言われて育ち、犯罪者がムショの中で人権を主張することに不快感を示す国民性とは大違いだ。

ちなみにデータで見る限り、横浜刑務所にはユーロ圏の受刑者は1人もいない。
アメリカ人は3人となっているが、所内の噂では全て印刷工場のような準経理工場に居る、と言われている。
（某自動車メーカーの元CEOを国外逃亡させた受刑者もそこに居た）
アメリカ人はどこの刑務所でも「いい工場」に居るらしい。
私から見ても、少なくとも横浜ではアメリカ人が一番優遇されていると思う。

それでは今回はこのへんで！次回もよろしくお願いします。

2024/7/8