刑務所からのポエトリー・6月
私のカエル場所
またここへ戻ってきちまったな 望んだわけじゃない
全てを遮断する 白い壁に囲まれた この世界 また私の声は届いてくれないのか?
あの時と違う 何かを探す 瞳に写るのは 絶望ばかりじゃなかった
聞こえるんだ 聞こえるんだ 私を呼ぶ声が…
部屋の隅(すみ)で走る 蟻たちの行く先はまだわからない
ただ見つめていたいだけ とめどなく あふれる 愛を ただ見つめていたいだけ
会いたいって 簡単に 実現できる 今日がほしい
黄昏には まだちょっと早い 尋ね人は 今日も現れない
求めた光は いつの間にか いつの間にか 空の彼方へ
いつか その傘に入れてくれないか
空に飛び跳ねるカエル雲 私は オタマジャクシから やり直し あの群に戻るため
ただいまって もう一度 言う為に あの場所へ 帰るんだ
おかえりってまた 聞くために あの場所へ
皆待ってると 信じてるから 私に諦める 権利はない
あるのは 片道キップ つかみとることだけ
もう大丈夫 私たちがいるから そう言わなくちゃ 選手交代
今度は 私の番だね 闇なんて 最初から なかった
心の中は 自分次第 気がついたら 1人で また カエルを描いていた 皆の顔 思い浮かべて
恥ずかしがり屋の私は 帰ったら 皆に 冷蔵庫の伝言で 気持ちを伝えよう きっと 笑ってくれるだろう
※この詞は、今の汪楠さんを思って書きました。届きますように!
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諦めない君へ
いつか別れが 来ること それも運命 君と出会った事 それも運命
たった2文字で片付けたくない 君へ送る歌 みんなと どこか違う自分。
茂みの視線 喜びへ変わる 本当の宝モノ 隠すもの 一時(いっとき)離したくないモノ
それは違う 最初に触れた 記憶 いつまでも君だけのモノ
愛する人の傍にいれない時間 愛する人が君を応援する時間
自分の手で 敷くレール 誰よりも 歩いていく 楽しみ 知ってるのは 君だけ
溶けかけた夢 まだ間に合う ヒビが入っただけ つなぎとめる ピースは 探すまでもない
いつも 輪の1部 かもしれないけど 君がいなきゃ 完成しないのも また事実
「一度は考えたでしょ?」 自分につけられた名前の意味 どんな表情作っても
本音は嬉しかったはずでしょ
思うように いかなくて 泣きじゃくったのは 愛が欲しかった時も あるよね
1人でなんでもできる みんな守っていける 甘い大口叩いて
絶壁から 落とされた
一度は運命にフラれたことがある君へ 一度は運命に逆らったことがある君へ
君へ送る歌 みんなとどこか違う自分。
そんなの 最初から わかっちゃいたけど どうしようもなかった
ビルのすき間から 吹く風に乗って 恋しくなった 田舎(故郷)
血のつながり 特別に 感じは しなかった
暖かい 匂いだけが 家族(特別)への導(しるべ) 安心して
君のやったことは 間違い だけど 気持ちは絶対 絶対 間違ってないから
1人ぼっちと 勘違いして 誰の手も 見えなかった ことなんて 恥ずかしいことじゃないよ
なんで自分ばかり と 一度は運命を呪ったことがある君へ
なんで自分だけと 一度は運命を嫌いになった君へ 君へ送る歌
なりたい 未来の自分 見えなくって 自信なくしたのは 君だけじゃないさ
友の流した 涙の意味さえ 考える 余裕なくて 感情のジェットコースターに揺られた
絵空事ばかり 並べて 実現するんだと 人の痛みに 気づけなかった
行く手を 阻(はば)む 涙の逃げ道 挫折の風物詩 帰ってこれれば 大丈夫
敵は 人を泣かせてきたのだから 次は笑わせる番だよね
勝敗のボーダー(境界線) なんて紙一重 手を伸ばして 手を伸ばして 真っすぐに…
生まれ変わっても 望みどおりの姿に なれるとは限らない
生まれ変わっても 望みどおりの 人の傍に 居れるとは限らない
だから 今〝やりたいこと〟〝やれること〟 〝やるべき〟ことを…。 旅立つ 前の君
傷だらけの体 爪痕だらけの心(ハート)
抱きしめるのは 今じゃないと言い聞かせて 送り出す
※この作品は鈴木大介「里奈の物語15歳の枷」を読んで応援歌的にイメージして書いた詞です。
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キチンハート
爆音 響かせ 迫る 赤い扉 小さな僕には 何よりも魅力的
細かい説明なんて 不要で あの赤は 純粋にカッコよくて 強くなりたい 強くなりたい
想い続けて…「守りたいモノはあるか?」ふいに訊かれて 困った顔になった
わからない感情 動かすのに 何が必要なのか 教えてくれたのは アナタで
不思議と優しい瞳の前では 素直になれた
弱い自分を 認めては いたけど 嫌いだった
何でもイイ 自分だけが誇れる 強さが 欲しかった
衆生の目なんて どうでもイイ 爆音の風に乗って ボタポタ伝い落ちる…血と涙
止めるのも また この拳(手)
最強で最高最強で最高 それが 僕の憧れた 誰かに 理解してほしいことがあるわけじゃない
自分だけが貫ければイイ事 それが増えていく度 背を向けることも 減ってった
今の僕は 何もできない それでいいんだ きっと今 すべて 手にしちまったら
つまんねぇから… もう2度と もう2度と oh・・・oh・・・
戻れない 今があるとして 想像の翼広げ 足場の保障さえない 橋渡って
不器用な 足取りで ゆく その先には… どれだけ叫ぼうと 届かない世界
知りたいと思うほど 雪に うもれて 手がかじかんで 知りたいと 願うほど 遠くなって
自分の弱さが 原因で 誰かが アスファルト見つめるの 怖くて…
爆音 轟かせて 掌(手)でしか語れない 明日
水溜まり 越えて 溜まり 続けた 弱さの代償 払いきれず 破産
翼の広げ方 わからなくて アナタにぶつけてしまった 不揃いな羽
暴力の化身と化してしまった 僕は 沈黙の扉 1つ1つ潰し
託された想い 重くて まだ背負いきれなかった 守れなかったモノ 数える度
残ったモノ知ることできた サイレン 掻き消すほどの叫び声 信じたくなかった 最悪の結末
動かなくなった アナタを見て 僕のハートは 時を止めてしまうくらいのチキン
何もできなかった 自分が 憎くて 焼け落ちた歴史 失っていくモノ 増える度に
荒れていくハート 見慣れた五本松
なんだか他人の庭のようだ
今の僕は何も知らない それでいいんだ
きっと 今すべてを知ってしまったら つまんねぇから…
最強で最高 最強で最高 それが僕の 憧れの アナタ
※この詞は「チキン」というノンフィクション小説(狛江愚連隊特功隊長だった井口達也さんの幼少期の自伝本)を読んで書いたものになります。
「私にもそういう時期あったな~」と思っていただける内容であれば嬉しいです。
ちなみに今までの詞より2倍近く文字量が多く完成までに1カ月かかりました。
令和6年3月6日
またここへ戻ってきちまったな 望んだわけじゃない 全てを遮断する 白い壁に囲まれた この世界 また私の声は届いてくれないのか? あの時と違う 何かを探す 瞳に写るのは 絶望ばかりじゃなかった 聞こえ・・