21度目の獄の春

拝啓 

少し前までは日中の暖かい陽射しが待ち遠しいと感じていたのが嘘のように、とても暑い日が続いておりますが、庄子様、サユリ様、大塩様をはじめPJスタッフの皆様におかれましては体調など崩すさず元気に過ごされているのでしょうか。 

先日は素敵なヴァレンタインカード&メッセージ、そしてPJへの感想文に対するお礼のお手紙をわざわざ送っていただき、どうも有難うございました。 
HPに記載されている様子や私の文章を喜んでくれている」ことが伝わり、大変嬉しく思いました。 

昨年の汪さんの逮捕後、PJの存在や活動内容が社会でどのように言われているのかは分かりませんが、少なくとも私たちにとってはとても大切で受刑生活において必要不可欠なものであることは今も変わりありません。 

私としては、受刑者がどう考え、何を発信し、そしてどのような環境のなかで生活を送っているのかということも大事ですが、それを無償でサポートし、貴重な時間を割いて動いてくれている人々がこの社会にはいるんだということもまた、より多くの人に知ってもらいたいという思いもあります。 

きっと賛否両論あるのだろうけど、この活動によって救われている人間が多数いるのは事実ですからね。 


ところで全国の施設で始まった、職員による受刑者への「さん」付け、皆さんの間ではどのように受け止められているのでしょうか。私の率直な感想は、名前を呼び掛けられた後の話し方も柔らかい印象を受けるので、受刑者側のコミュニケーション力を育む一助につながるのではないかと思いました。 

人権の保護や管理する側の立場など、さまざまな意見はあるのでしょうが、今後どのように変わって行くのか気になるところではあります。 

とはいえ、もう20年以上も呼び捨てで名前を呼ばれることに慣れているので、よく知っている職員に「さん」付けで呼ばれると一瞬間を置いての返事になってしまったりと、やはりちょっと照れくさいような、場違いのところにいるような気になったりもしました。 

男性受刑者でもリンスやバスタオル、化粧水などが購入できるようになったりもしており、どういった基準なのか、要望があり、それに対応している結果なのかは分かりませんが、少しずつこれからも私たちの生活が変化して行くのかもしれませんね。 

今回もPWRへの作品を投稿しますので、どうぞよろしくお願いします。 

 

敬具 

 

 

・菜の花や選びし道は行止り 

・老医師のまろき眼鏡や辛夷咲く 

・変はりゆくもの数多見ゆ春の水 

・下萌や五指は揃へて伸ばすべし 

・ドローンの爆ぜる地ありし落花かな 

・住職の座布団かへす虚子忌かな 

・行く春やギターケースに銭放る 

・のどかさや秒針折れし壁時計 

・春雨や帰りは他人の傘さしぬ 

・東風(こち)吹くや自動蛇口に厭はれり 

 

2024.5.3 

 

 

A294さんの投稿

 

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