受刑者という立場を理解した上で手を差し延べてもらえるといった喜びは、やはり何物にも替え難いものです…

 
 

サユリさんが募集されていた「ほんにかえるPJ活動への感想」を書いてみたいと思います。 
私がPJを知ったのは2019年に放送された「ザ・ノンフィクション」です。 

チャイニーズ・ドラゴンといえば誰でも知っているような有名な組織ですが、その元メンバーが犯罪者を支えるとは・・・・・・?
といった軽い気持ちで番組を観始めたんです。 

面倒を見ていた若い出所者に裏切られても動じない汪さんや、膨大な量の本でいっぱいの棚がある事務所で、真剣な眼差しで話す汪さん、恋人と一緒に居る時はリラックスして笑顔の汪さんなど、さまざまな姿の汪さんが今でも印象に残っていますが、とにかく支援活動に対して本気で取り組んでいる様子が伝わり、こういう方が身近に居たら、更生のきっかけになるのかもしれないな、と正直思いました。 

汪さん自身が元受刑者で、それも長期に居られたこともあり、刑務所の中で本を読むことがどれほど楽しみで大切なものなのか分かっておられるからこその活動で、無償で本を送るというのは本当に素晴らしいなと思いました。 

あの時、受刑者からの依頼の手紙を広げてアダルト系の本を読み上げているボランティアの女性がいましたが、あれは庄子さんだったのですね! 
今回の会報で庄子さんが触れており、初めて知りました。 

そんなリアルな部分を放送するんだと驚きましたが、でも包み隠さずにありのままの活動の内容を映していて、逆に私は信用できるなと感じましたけどね。 
当然、工場でも話題になり、その筋の業界で汪さんは相当名の売られた有名人だということを知りました。 

それからしばらくして、社会に居た頃に汪さんとは知り合いで、すでにPJの会員だという人に住所を教えてもらい、私も入会させていただくことになりました。 

以来、約3年にわたってお世話になっておりますが、これまでに送っていただいた本は40冊にものぼり、無償本リストから好きな作家の本を探したり、気になっていたけど読みそびれていた本を見つけたり、あるいは新たに興味をそそられるタイトルに出会ったりと、その作業だけでもけっこう楽しいのですが、依頼して実際に何冊か手元に届くと本当に嬉しい気持ちになるものです。 

単に本を読む楽しみだけではなく、私のために本を探して送ってくれた人が居るんだと思うと、社会との繋がりを感じることができますので、これは私達にとってとても重要な意味を持ちます。 

定期的に送ってくださる「かえるのうた」や「わんレター」、「プリズンライターズ・リポート」にも同様のことが言えますが、受刑者という立場を理解した上で手を差し延べてもらえるといった喜びは、やはり何物にも替え難いものです。 

犯罪を起こした者に対する社会の目は私達が思っている以上に厳しいはずで、参加してくれるボランティアの方が簡単に集まるものではないということも分かっています。 

とても忙しいなか、あれもこれもと運営を続けてゆくのは本当に大変だと思いますが、毎日代わり映えのしないこの受刑生活においてPJがもたらしてくれる刺激は心地よく、前向きになれる存在です。 

汪さんの飾らない文体が躍動する「わんレター」は社会の様子がよく分かる内容であるとともに、汪さんの身の周りで起こる出来事がとても面白く書かれていて毎回笑いながら読んでいました。 

こういう人柄だから自然と人が集まり、慕われるんだなと思い、いつも届くのが楽しみでした。 

一日も早く帰って来て欲しいです。 

  

 
 
 

A294さんのプリズンライターズへの投稿は下記よりご覧ください

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