更生について考えて
皆様、こんにちは。
うだるような暑さを、どのようにして凌いでいますか? ここ3、4年、急に夏が長くなって、太陽の照りも激しくなって来た気がします。
外の通廊では26°Cに設定されたエアコンが効いていて、快適でしょうけど、壁1枚を隔てた部屋の中は別世界です。
こんな暑さの中、頭が働くことを拒否して、あらゆる思考も停止がちですが、それでも塀の中にいる身として、自らの「今」と「将来」について考えなくてはいけません。「過去は考えないのか?」と問われそうですが、30年余、過去については、もう考え尽くしたと言っても過言ではありません。
過去のでき事は、どんなに考えても消えることはないが、増えることもないのですから。
しかし、「今」、特に「将来」は、自分の心構え一つで、様々な可能性が出て来ます。
神様が作られた、この「世界」というゲームの中で、人間一人一人はプレイヤーでもあり、ゲームの中のキャラクターでもあると私は思っています。
左へ行くか、右へ行くか。家に居るか、出掛けるか。
選択の一つで、まったく違ったゲーム展開一人生一が待ってるかも知れません。
間違った選択をすれば、ドボン、ゲームオーバーになりかねません。
何かがあった時、「運が悪かった(良かった)」と、人はよく言いますが、それらは運ではなく、“全てはその時自身の選択による必然”です。
日常の中、このような事例は無数にあります。私のような一度大きな間違いを選択して、ドボンになりかけた人は(すでにドボンになったとも言えますが、まだ生きてるだけに、それは認めたくない)、次ぎの選択を迫られた時に、特に慎重になるべきです。
神様は気まぐれとは言え、そう何度もギリギリセーフになるゲーム展開は期待できませんから。
後悔から反省へ、反省を経て、更生へと進む。言うは昜し、行うは難しです。日本の受刑者の4割は再犯者だそうです。
おそらく窃盗や薬物といった短期刑の人が圧倒的に多いのでしょう。
そういう人は、どちらかというと病気ですから、更生するためには、まず依存から脱却しなければいけません。その道程は険しいでしょう。
更生、生き方を更新、改める事。それが簡単にできるなら、そもそも最初から犯罪という手段を選んでないかも知れません。
私がいるLA(長期、初犯)刑務所では、ほんの極一部、自分の犯罪を自慢する人を除けば、大多数の人は自分の罪を人生の汚点だと認識して、受刑者同士では口に出さなくても、被害者に対して申し訳ない気持ちをしっかり持っています。
自分も含めたそういう人達に、社会がもう一度やり直すチャンスを与えて下されば、きっとがむしゃらに自分の設けた目標に向かって頑張りますよ。
その「チャンス」というのは、必ずしも何か特別な事をして下さるとかではなくても良いです。
ただただ、ずっと固定観念で見ないで頂きたいだけです。長いムショ生活を経て、いざ出所する時に、多くの「元受刑者」は、外界に対する渇望や憧れよりも、やっていけるかどうかという不安、怯えの方が勝ってる、健全ではない精神状態になってます。
そこに来て、行くとこ行くとこ、白い目で見られて、拒絶されたら、僅かに持ってる希望も吹き飛ばされてしまって、絶望に陥ります。
「それも自業自得だろう?」と言ってしまえば、再犯撲滅や更生も虚しい建前になってしまいます。
私達は勿論努力する必要がありますが、周りの方の「大丈夫だよ、頑張れ」という励ましが、なによりの更生へのサポートになります。
それによって、不安を抱えてる人も、もっとスムーズに社会に溶け込めると思います。
かえるPJの活動理念「反省は一人でもできるが、更生は一人ではできない」というのも、そこにあるのではないかと、私は支援を受けながら、そう思うようになりました。
こうして今PWに投稿文を書いてますが、かえるPJとしては、私達が今思ってることを社会の方に知って頂くのが目的ですが、同時に、私(達)は書く過程で、普段よりも、より集中して深く考える機会を得られます。
かえるPJがそう意図したかどうかは分かりませんが、自発的に考えることは、更生にとって必要不可欠です。
その意味でも、私はその機会を作ってくださったかえるPJの運営の皆さんと、PWの管理人サユリさんに、それから私達に関心を持って、会員の投稿を読んで下さる方々に感謝してます。
再犯さえしなければ、「更生できた」とはならないと、私は考えます。
必要なのは単に我慢だけではなく、自分のそれまでの生き方を確認して、改めることです。
そういう意味で、もう二度と犯罪する事はないが、私は自分が本当の意味での更生ができるかどうかの確信は持ってません。
でも、少しずつ自己改善をしていき、今日よりもっと他人の事を考えられるような人間になる努力をする意思は持ってます。
それはまた、自分の残りの人生において、被害者や社会に対するせめての償いでもあります。
これから先、ムショ生活は短かいかも知れないが、まだ長いかも知れません。
反省ばかりでなく、更生についても、どう進めば良いかを、もっと考えていきたいです。周りの方や家族のサポートを受けながら。
6月1日から、拘禁刑がスタートしましたが、私のいる施設では、とくに何かの変化もなく、一月あまりが過ぎました。
これからどう変わっていくのか、勿論私達も関心をもって待ち受けていますが、個人的には期待(?)はしていません。
作業時間を減らして、教育時間を増やすことに否定的な意見も多いです(大変数の受刑者は、作業に対してポジティブに考えています)。
なによりも、更生は自らの意志で、自発的に考えなければ、成し得ないと思います。
教育を施したら更生できるほど、簡単ではありません。「強制する」教育を行なえば、逆効果になるのは目に見えてます。
今でも決して普段考える時間が足りないわけではありません。結局更生できるか否か、決められるのは私達自身の心です。
25/7/18
A22さんの投稿
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