オレたち今日も塀の中Vol.13/ぼくが殺人犯になるまで編
受刑生活13年。懲罰回数28回。数えきれない程の寂しい夜を明かして、
1ミリの努力もいらない刑務作業中に、ぼくはずっと考えていた。
「俺、何で今こんなとこでこんな事してんの?」と。
考えれば考える程に、社会で生きる価値のない人間なのかと泥沼に叩き込まれたような気分になる。
今、何故自分が刑務所に居るのか?原因なんか、くそほどあり過ぎる。
小、中学生時代から始まると思う。物心付いた頃にはもう、親からの暴力におびえていた。
母と祖母との生活で、母は夜の世界で身を立てていくにつれ、母は祖母にぼくを押し付けて自分は男と暮らし、祖母が病弱で入退院の繰り返しで、その間母の知人の家に散々たらい回しされたぼくは、何人もの大人に殴られ、蹴られ、骨を折られたり、食事は2日に1度、真冬の水風呂、水道ホースで気絶する程叩かれて全身みみずばれで皮が破れたり、歯も折られた。
逃げ場も、行き場も生き場もない絶対服従の日々。寝る時間もないほど一日中、家の事をさせられるか、笑いながら殴られるか。
自分が一体、何の為に生きてるのかわからなくて、学校帰りでバス通いだったぼくは、祖母と暮らしていた公団の14階の部屋の前に行き、別の人が入居しているのを見ては祖母との日々が完全に消えた事を確認して、14階の手すりから半身乗り出し「このまま落ちて死んだら、どうなるかな?もう殴られなくていいのかな。」と考えてた。
平日、学校行ける日の地獄行きのバスが来る迄の時間。/小5くらいから、児相、養護施設へ行き、何度か母に引き取られるも家の中に入れてもらえず、玄関で寝起きする日々に嫌になり、中一からすぐ不良仲間と遊び回り補導されると、母はぼくを、自身が経営するクラブの倉庫に住まわせて、毎日母の「女」の姿を見せられ、男と女の世界とか、大人の汚さを嫌というくらい見た。
それから教護院、養護施設へ行きますが、中3の夏に再度母に引き取られるも、母は変らず、ぼくは不良仲間の家を泊り歩き、新聞配達と窃盗、恐喝、強盗でしか生きて行けず、中学卒業後すぐ暴走族に入り、先輩の紹介歩きで組織の部屋住みに入り、そこからは暴力をされる側から、する側になり、逮捕迄の間、暴力が常に側に在る日々だった。
祖母がぼくに幼い頃から絵を教えてくれたおかげで、彫師の道が拓けた為、稼業人としての道は外れましたが、過去と現在がうまく対応できず、不良のまま彫師として偶然成功しだして、嫁、子供、ファミリーも出来るものの、心と体が合わない。
暴力衝動がコントロールできなくて、不安で、自分の体を刺青だらけにして痛めつけ、傷つけて血だらけにしないと苦しくなる。
敵を作り、殴り合ったりして傷つけないと、気が狂いそうになる。嫁も愛人も彼女も、恋愛しても本当に心から人を愛する事ができない。
愛される事もない。愛されたとしても、ぼくにはわからない。愛=支配と思う。残酷で、執念的で、憎悪にくるまれてて虚しい。
愛という暴力、愛という支配、愛という掟。こんなぼくの人生の中に、どこで「今」の現実へとつながる事のなかった方程式がある?
養護施設出身というだけでも社会は厳しい。帰る家も行き場も生き場もない。建設現場作業に行っても中抜きえぐくて、日当6,000円。
競争社会のくそど底辺。この世界に神様なんか居ない。このくそ人生の中のどこに選択肢があった?
今迄、受けてきた暴力で何度死ねる?今迄与えた暴力で何人殺した?尋常でない救えない人生。
塀の中でも喧嘩、事件送致の数々。今は大分自分を上手にコントロールできていますが、人生の授業料は高すぎた。
自分という人間の愚かさ。「今」の結果から逆算すると、やはり何度考えても人を殺すべくして、殺したと思う。
で、こんなクソ人生の答えは?「立ち直る」こと。人生に失敗は必ずある。そこから立ち直らせてくれるのは他人じゃない。
自分自身ということ。たとえ困難に直面しても、周りの人々に敬意を表して生きる。
今、刑務所でつらい日々か?いや、これ程人生を教えてくれる場所なんかないし、辛いだ寂しいだのなんか今に始まったわけじゃない。
まだ自分の人生の確実な答えは見つからないけど、プリズンライターズを読んでて、全国の無期の方々の後悔や未来を思うと、長期刑でも残り6年で出れる事を思うと、自分が地に足付けて、彫師としても再び成功して、ほんにかえるプロジェクトとの関わりを続けて生きてく事で、救えなかった自分の様な人を救いたいと思えてきた。パクられるのは二度と御免だけど(笑)。
汪楠二号的な活動・支援をしたいと色々考えてます。死にかける程の虐待の中、生き延びてきた。
何でか生かされてきたこの命の使い道を死ぬまで考えます。
事件で亡くなった方、遺族の皆さん。いつか、この思いを必ず形にするので、待っていて下さい。
あと、社会の皆さん。我々受刑者もいつか社会に戻ります。怖いかもしれないけど、何もできなくてもいいけど、せめて見守ってて下さい。
よろしくおねがいします。
2025/4/21
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受刑生活13年。懲罰回数28回。数えきれない程の寂しい夜を明かして、1ミリの努力もいらない刑務作業中に、ぼくはずっと考えていた。「俺、何で今こんなとこでこんな事してんの?」と。考えれば考える程に、社会・・