刑務所に居ると、合縁奇縁があり、よく「兄貴・舎弟」の話がどこの工場でもある。そんな刑務所あるアルのひとつのお話。
金属工場で、当時はまだ侍（やくざ）が多かった時代のこと。
雑居で4人、現役1名、他半グレ、売人で生活していて、現役の者が有名親分との写真や、シャバを目一杯たのしんでるものを、皆に自慢し、「それは絶対うそ！」という事でも、「えー！ほんますか！すごいっすー！！」と、売れない地下芸人並に現役の者をおだて上げ、「この話の流れ的に、絶対シノギ何かできるやろ！」感が出まくっている売人。
それが分かっていながら、やっぱり気持いいおだてられやーやくざ。

「なんや、自分とは気ぃ合うわ。知人も共通の多いし。仲良おしよなー。」
「はい！こちらこそですわ！！何でもゆーて下さいね？ワシ、やりますんで！てか、もう身内みたいなもんやし、変に気ぃ使わんと、兄さん呼んでもえーでっか？」わ、出た！！（笑）
本当かどうかよくわからん「共通の知人」をきっかけに「兄さん」呼び！！「ま、好きに呼びや。」いーんかい！！（笑）で、工場運動中、舎房と、付き合いたてのバカップルよろしく、ずっと2人で（GLAY位）ア●ゴ（？）行って約３日。
やくざが舎房で、「すんまへんけど、こいつを舎弟にしたんで…一応、報告しますね？」だろーな？んで、何の報告なん？頑張れよ、もう。
その日から舎弟は「兄貴」と隠しもせずに呼び、「声でかいがな！」と怒りつつも照れ笑いの兄貴。何これ？

この、幸せ絶頂の2人に、大きな試練が来ようとはまだ、この時は分からなかった…。
ある日、工場に全身どんぶり刺青の「ザ・やくざ」が配役され、おいらたちと同房になると、その初日から「兄貴」の具合が悪いのか、ふだんのバカ笑いと自慢話が１ミリも出ず、舎弟が心配して声かけるものの、何か…おかしい。
おいらと半グレ、ザ・やくざの3人で色々話すと突然、ザ・やくざが「兄貴」に、「おい…、お前もしかして〇△ん所飛んだ×××ちゃうか？何しとんねんコラ。」王手飛車詰み。（笑）
「え？…え？兄貴…ほんますか？ちゃうよね？ねーって？」兄貴、布団から光の速さで起き上がり、刑務所の早起き記録更新した後、急に頭狂ったんか扉を蹴り出し、大声で「なめとったらアカンぞゴラー！！」
兄貴…どしたん？即連行され、話の詳細を聞くと、現役でもない、ただの売人（ぽん中）で、話のほとんどが嘘八百万円。ぶち切れる舎弟。
「なんやあのおっさん、ほんまにー！！なめとんでほんま！！」ん？舎弟…？マジ？気持ちの切り替え秒やん？
怒りのジェットコースターに乗る舎弟は兄貴とのシノギや養子縁組の件やら全部言いだし、「あいつが面倒見れるかいな！！せやったら自分うちおいでや。俺は〇△組の…」ん？ん？？
本当に、ザ・やくざやん？え、元伝説のスカウトマンやったん？
秒で口説くやん？「え、ほんまですか！！いきますわー！！」舎弟…、
秒で口説かれてるやん？「自分、簡単に舎弟とかなりまへんで？」
とか言ってたやん？すっごい速さで嘘つくよね？ねえって？でも、お前が一番かしこいかもしれん。
だって「新・兄貴」から5万円と本の差し入れ、眼鏡１本を貰って、色々あり「新・新兄貴」も出来、１０万位引っ張り、生粋の舎弟気質なのか、知る限りでも3人の兄貴が居て、絶対に差し入れさせて、段々と兄貴の質もアップしてる。（笑）
どこで、たくましさ出しとんねん！ある意味すげえわ！！
ま、今迄何百人も見てきたけど、兄・弟の仲でシャバでも続くのは、１０分の１か２くらい。
大体中で終わるか、出てみたら話が違うとか…。本物の御縁もあるけども、結局は、シャバ出て、一緒に飯でも行って、それからだと思う。
それに、「兄貴・舎弟」て…、もう、Vシネの中だけと思う。時代じゃねー。（笑）　　おしまい。 Ganxta.3127 2024/4/18

オレたち今日も塀の中Vol.7

塀の中でみんな、何を考えてる？刑務所に来ると、作業中、舎房での時間、消灯後・・・、つい昔のことや、事件のこと、家族のこと、仲間・友人のこと、仕事、生活、恋愛、犯罪、実にさまざまな事をかんがえてしまう。
気付けば無意識の内に何かしらの事を考える。良いことばかりではない人生。
苦しかった、辛かった、悲しかった・・・、そんなことばかりが浮かぶ。
精神的にはあまりいいもんではないし、分かってても、１度考え出すとやめられない止まらない。
表面こそ出さないが、内面は気が狂う程の怒りや、底なしに下がり続けるバイブス。
ノンストップ後悔feat反省。何ひとつ進展も生産性もない自問自答エンドレス。
そういう時に、トラブったら、たまったもんじゃなく、空想が現実となり、気付いたら喧嘩、反則で懲罰くらったり。
辛抱という名のジェンガをひたすら積み上げるしかないけど、積み上げた分だけ1度倒れたら大変。
やりっ放しのフィーバー男児に変身しかない。

多くの人の話を聞いていると、やはり過去のあの日、あの場所でなんとかかんとか、ばかり考えてて、「たられば～」「かも～しか、」とか出口のない迷路を永遠にさまよい歩き続ける。
で、同じことばかり考えてると、それにあきてくる。
どこからか新しい考え事・悩みが出てくる。本当、毎日思う。
一日の内に何を考えてたかって思い返すと、長編映画が１本撮れんじゃね？と思うほど、よくもまァ、色々と考えてる。
くだらない事ばかり考えて終わる日もあれば、何考えていたかもすっかり忘れて変な心の焦りを感じて、「思い出せ！おれ!!」と思うものの、うっすいせんべえ布団の中で、結局ちょっと人に言えんようなエロいこと考えて寝てしまう。

「今日・・・作業なげーなー。」と思えば、初体験から何人覚えるか数えたり、女との思い出とかエロい事考えたら、時間の流れが速くなるというナゾ。(笑)え、受刑経験の共感者今、絶対「わかる～」だよね？ね？
ま、長期受刑者になると、余計な事は、考えないようになるし、考え過ぎてもしんどいだけとわかれば頭の中で違うチャンネルに変わる。
大切なのは、「過去より、今、これから」で、「今、出所しても大丈夫か？頭と心が刑務所に慣れすぎてない？正しい判断できる？」という自己点検をする。
どうしても「過去」に苦しむ時は、その先に在るべき倖せとたのしいことを目一杯に考える！
これからの人生で起こるであろう色々な出来事にも冷静な判断ができるように、あらゆる場面を想定する。
自分の理想を定めて、そこから何をすべきか逆算し、不必要な選択をしないように決めていく。
朝、起床してからまた寝る迄、一日をいかに充実させるか？どれだけ新しい何かを見つけられるのか？を考える。
金太郎アメのような、どこを切っても同じ毎日だと長期は頭がボケちゃう。
逆に、日常の変化をどれだけ見つけれるか？を考えたら、塀の中の景色も変わる。
娑婆も中も、「考える」事ってとても大切と思う。
その内容も、当然大事で自分の為になることをちゃんと考えたい。
でも・・・、やっぱり考えちゃう。ノンストップ、おバカ妄想劇場。
「ガーシーが最後の暴露！芸能人・モデルとヤレる高級会員制変態クラブ名簿」
「浜辺美波顔のきゃしゃな超絶美男子、刑務所に来たら・・・」
「あなたの家のカルピス薄そうね？長澤まさみの突撃！カルピス‼」
「今、出所する。すぐアメリカ行く。ラッパーなる。ちょっと売れる。ギャングと仲良くなる。コカインパーティーで美女を抱く。逮捕、収監、中から曲を書いて50セントが歌って鬼バズる。え？結局パクられんの？」
「上戸彩が離婚。で何か色々ありデートする。エロいことする」
「広瀬すず、アリス2人からの告白。ちょ、とりあえず4一回ずつ抱いてから答えてもいい？」
「岸田首相、狂う。『今日中に受刑者一回、とりあえず放免しまーす。放免する刑務所は、所さんがダーツで決めまー。』」
え・・・？おれ・・・こわっ。バカすぎるやん？書いていいの？これ。
書いたけど。ばりゲスい。低俗の１位。ここ迄読んだあなた。
きっと今、強裂に思ってるでしょう。「こいつめっちゃバカやん‼」え？そやで？今更やん？笑