人生には３つの坂があるという。
ひとつ目は上り坂。ふたつ目は下り坂。
そして３つ目は「まさか・・・」

先日、珍しく元嫁から手紙が来たんです。
封筒の裏の差出人の苗字が違っていたので「まさか・・・」と思ったけど、案の条「再婚しました」の報せでした。
しかも入籍して２年経つとのこと。

俺なにも知らず、子供の誕生日に絵本送ったりしてたし。
手紙の最後に「一度だけ子供と私とあなたの３人で会いましょう」と１枚の便箋に淡々と書かれてたけど、即座にすべてを悟りました...。

それでも元嫁の選んだ相手だから素敵な人だと思うし、祝福しなきゃと返事を書くんだけど、言葉を紡ぐうちにボロボロと涙が出てくるんです。
堪えても堪えても、あの頃の記憶が蘇り、視界が歪むんです。
一度だけ会いましょう、と情けをかけてくれているのに、嬉しさと同居する寂しさ．．．。
会ってしまえば次はない、もう二度と会えないより、いつかは会えると思って会わない方がいい。

子供が字を覚えたら文通して、仮面ライダーが好きというなら仮面ライダーに変身して、ウルトラマンが好きというならウルトラマンにだって変身するよ？
この際、理性を投げ捨て、恥も外聞もなく本能のままに「一人にしないでくれー」と号泣しよか？
ずっと現実から目を背けてきた俺は、この期に及んで、なんて女々しくズルいんだろう。
俺とあんなに罵り合って別れたのに、あれが愛だと分かるのは何年も経ってからなんて...。

でも過去に縛られたままでは、この先ずっと幸せになることはできないから、心が叫び出しそうな寂しさを、ぐっと我慢して、精一杯の祝福をしました。
せっかく掴んだ幸せなら、喜んであげたい。
お相手の方も、やさしく懐が深いようなので、子供のこと含めて沢山愛してくれるはず。

これは余談ですが、離婚前の妊娠中に、生まれてくる赤ちゃんの名前を二人で相談しあっていました。
俺は一時流行ったキラキラネームはやめようねってハッキリ言って。
コロナ禍で出産には立ち会えず、面会もできず...。
結局ＬＩＮＥで「名前決めた？」って訊きました。
そしたら「希望の希に星と書いて希星（キラ）」だって...笑
俺へのあてつけかな？そんなチビも３才になりました。
やかで、笑いの絶えない日々をいつも願っています。
おめでとう！！　いつまでも幸せに！！

２０２４．８．３１　Salty　Dogより愛を込めて