刑務所より俳句と短歌 Vol.2(つぶやき付き)+A289さんへの応援文
こんにちは!ラジオから流れるEMINEMの「LOSE YOURSELF」のリリックに脳刺激され、体内電流がスパークした所で早速、私のノートに溜まりに溜まった俳句・短歌群を世間に解き放ちたく、
また、プリズンライターズ・リポートVol.3のA289さんの投稿文を拝読してからずっと気になってたこともあり、ペンを執った次第です。
最後迄お付き合い頂けましたら幸いです。※
※A289さんとは、同じくプリズンライターズ投稿者です。A289さんの投稿はこちら
俳句
・あの時のまま三月も過ぎにけり
(「あの時」と云うのは十人十色。とても単調な日々の繰り返しの受刑生活だが、あの時のままの三月を迎える人もいれば、あの日と全く違う三月の人もいる。あなたの三月は? )
・成るがまま有るがままなり春の獄
( 社会からの報せに一喜一憂したり、単調な日々に変化を求めてゴネてみても、悲しいかな、結局はどうする事もないのが現実!それならそれで、全てを受け容れてみるのもいいかもね)
・無期囚の手より受けたる春の蝶
(ある日、まだ若い無期囚が、可愛いからと優しい目で私に蝶を手渡してきた。こんな優しい目をしてる彼がなぜ無期刑を喰らう事になったのかしばし考えずにはいられなかった春の日)
・紅梅に遠き日のこと恋のこと
(刑庭の紅梅を眺めてると、学生の頃に付き合った彼女の愛くるしい笑顔が浮かんだ。幸せに暮らしてくれたらいいなぁ)
・梅の香を乱さぬように囚友歩く
(運動時間に梅の香りを楽しんでる囚友が、足音もたてずにそっと歩いてる姿に、優しさを感じた)
・目瞑りて浸かる獄風呂今朝の春
(くだらない規則違反を犯し、調査の懲罰棟の風呂に浸かりつつ、馬鹿な事をしたと悔やむ)
・恋のごと逢いに行きたき桜あり
(春、桜の開花が待ち遠しい。それは、好きな人に逢いに行きたい時の気持ちに似ている。ガラにもなく、そんなロマンティックな事を考える休日の午後)
・返らざる過ぎ去りし日の温さかな
(あの幸せだった日も温かい日だったなぁ。幸せって、不幸せになってみないと絶対にわからないもの)
・風光るセカンドセンター後逸す
(練習を重ねたソフトボール。大会では2アウトでランナー3塁、打者は私。渾身の力で振ったバットがジャストミート!打球は春風光る守備の間を抜けた。ランニング・ホームランで逆転だっ!! )
・老囚のしゃっくりとめる桜かな
(しゃっくりがとまらないと云ってた老囚が、刑庭の桜を見上げる。あまりの桜の美しさに、しつこかったしゃっくりもピタリと収まった。桜の美しさは偉大なり!)
短歌
・夜明けにも暗い明るいあることを 眠れぬ夜が教えてくれる
(生きてると誰もが悩み苦しむ。食欲も湧かない時もあれば、悶々として眠れない時もある。そんな時、私のこの一首を思い出して欲しくて、今回、紹介させて頂きました。悩める皆様に幸あれ! )
A289さんは手元にある数百首の自作短歌があり、これを誰かに読んで欲しいので本にしたい。
けれど、返品の山になりそうでなかなか着手できず、返品の心配のない電子書籍ならやれそうだが、そのやり方が解らないとの事。実は私、出所後に地元出版社に作り溜めた俳句帳を持参し、出版の相談をした事があります。
一口に出版と云ってもその契約方法は私の希望や出版社の条件等で多種多様になり、私は必要以上の印税を求めず、出版社側にとってもマイナスにならなければそれで構わなかったのですが、後々の事を考えると「その契約方法は双方の為にならない」と断わられました。
しかし、それ等のノートは私にとって並々ならぬ気持ちがこもっていたので、A289さん同様、誰かの心に届けたいと云う気持ちがありました。
その気持ちを出版社の方が汲んでくれ、地元の俳句同好会を紹介してくれたんです。
早速、会の代表者と会ってノートを預け、数日後に連絡を頂くと、その同好会が発刊している同人誌に毎回掲載してくれる事になり、有り難い事に原稿料も頂いてました。
必ずしも出版と云う形式に拘らず、近場の同好会に問い合わせてみて、そこから技術と人派と信用を築いてみると云う方法もあります。A289さんも単に自己満足のレベルだと云わないで、上記の方法をご一考されてみたらどうでしょうか。
私の拙ない文の為にとても貴重なお時間を割いて頂き、心から感謝申し上げます。またお目に掛かる事を楽しみにし、この辺で失礼させてください。
2023年11月10日
A321さんの投稿
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