学び直し

  現代の社会では1年で時代が変化する。仮想空間でアバターが活動する世界が生まれ、閉鎖空間に生きる受刑者は浦島太郎。情報過多で社会の人々でも容易に追い付けない。まして受刑者の中には学歴が低かったり、社会で支援してくれる人が居ない、財産もない、年金も少ないなどの将来に不安を抱えた者が多数居る。 

刑期を終えれば社会に戻れるが、居場所や1人で生きてゆく術を知らない者は再び刑務所へ戻ってゆく。頭の良い人や財産や身内が居る人と違って、1人で生きてゆくには日本の社会においてセーフティーネットは脆弱で、コロナ過やウクライナの問題で物価は高騰し、賃金や年金は上がらない。 

ただでさえ選択肢を持たない人々が更生するハードルは極めて高い。まして長期刑ともなれば現代社会の変化に追い付けず、自立する事すら危ない。 

そこで、何においても定期的に学び、少しでも役立つ情報を知る事が、何かの際に役立つと思うので、出所した人などから実際の体験としての役に立った情報や失敗談を掲載したり、社会の今はこうなっているといった情報、また受刑者が知りたい事などを、かえるのサイトなどでQ&A方式や掲示板としての機能、情報を検索する時の知恵などを共有し、受刑者に冊子として配布するというのはどうでしょう? 

例えば、携帯電話を借りるには、カタログに「10万円を上限として保証金を納める事を条件に契約できる場合もあるが、審査によってはお断りする事もある」と書いてあるがどうなの?と言った身近で有益な情報があればいざ出所した時に役立つと思うのです。 

刑務所では刑務作業が中心であり、教育としてのプログラムもありますが、こういった本当に役立つ情報や、今の現状を教えてくれる環境はありません。ですので、こういった情報をひとつずつ蓄積して行き、また出所した無期囚の方々からアンケートを募集し、どういったケースの人々が出所できたのか?とか、中に居る受刑者からもアンケートを募集して、必要な事や環境を知り、改善してゆく為にも活用できると思います。 

そして、こうしたひとつひとつの積み重ねが再犯を防ぎ、自立する為の知恵として機能すれば良いと思います。 

また、社会の人でも、受刑者でも知っている知識を活かして、自立する為の学び直し講座と称して、通信教育教材として、例えば「自立する為に知っておきたい金融投資講座」とかを作ってみるのも面白いと思うのです。ただでさえ少ない国民年金を、受刑者は年金免除申請をしている人が多く、これらの人は満額(6万5000円・1ヶ月)の半分までしか貰えず、将来幾ら貰えるのか知らない人も多く、老後を苦労しない為にも努力は欠かせません。 

投資をする程の余裕はないという人が多いかも知れませんが、知らないよりは知っていた方が良いものです。誰かがやってくれる訳ではなく、自分でやるしかない、そこに気づけるか?が大切だと思いますが、自分で気づける人は多くないので、こちらから積極的にプッシュして教えるしかありません。 

よく、「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」という言葉があるように、知りたいと思った事を聞くのは決して恥ずかしい事ではなく、どんどん聞けば良いのです。 

そして自分にはそんな難しい事は無理と思わず、難しいなぁと思ったらその部分はそれなりに何となく覚えれば良いのです。 

物事には何においてもセオリーがあり、それを突き詰めてゆくと、意外とシンプルだったりしますし、何が大切かと言うと最後の最後はメンタル(心理)なのです。スポーツにおいても、投資においても、全てにおいて左右するのはメンタルです。 

自分の気持ち次第で目標を持って努力している姿勢が良いのであって、点数とか結果が全てではないのです。 

やってみて損する事はありません。そうした受刑者にも「学び直し」ができる環境を、ほんにかえるのプリズンライターズで整える為にぜひやって貰えませんか? 

賛同した社会の人々、出所者の人々良かったらアイデアを出して下さい。 

2022年4月 

 

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