25年の刑期を半分終え、今感じる事

 自分は先日やっと刑期の半分を終え色々と感じることが増えて来ました。
今までずっと先の見えない時間をずっと歩いている感じで将来の希望も何も感じずにずっと過ごしていました。
21歳の時に懲役25年という判決を受けたとき正直何も感じませんでした。
人生過ごして来た年数より刑務所で過ごす時間のほうが長い現実を突き付けられて一体何を考えて生活して行けばいいのかと色々と考えたときに投げやりの気持ちしか浮かびませんでした。
真面目にやろうとやるまいが時間が経てば出所の日は来るんだから色々と我慢して辛い日々を過ごすなら自分を殺してまでたった数ヶ月の仮釈を目指すなんてバカバカしく思えて気に食わない奴がいればすぐ殴ったりと暴れた生活をしていました。 

 21歳で周りは大人ばかりの刑務所に送られて、長期と言っても皆せいぜい16、17年で自分の様に20年を超えた人なんて無期の人くらいで、正直今でもあまり20年以上の人はあまり存在していませんが以前よりはチラホラといますが、、、。
そんな中20代の血気盛んな小僧が大人しく過ごすことなんて出来るわけもなく、日々懲罰という生活が続いてました。
それにずっと不思議だったのが無期の人が現在35年近く務めないと出所できないし、それも必ず出所できるという確約もないのにどうしてそこまで己を殺して無事故で生活できるのか?と思ってました。
自分は求刑が無期だったので下手したら無期の道を歩むことになってたかも知れないしだけど、自分は出れるか出れないかとか関係なく最初からそんな希望を捨てて生活していたと思うから30年無事故の人とか見るとすごいなと思います。 


 自分自身少しずつ変わり出したのは15年を切った辺りから今まで真っ暗だった先に遠いけど光が見えて来てこのままではダメだと思うようになって1日1日の生活を少しずつ大切にする様になって来ました。
周りの人のサポートも大きく沢山の人に支えてもらって、この人達にいつまでも心配ばかり掛けることはできないし成長して行かなくてはと考えが変わりました。
そして今半分を終えてこんな気持ちが楽になるんだとは思いませんでした。
今まで出所してあれをしたいこれをしたいという考えもなく、周りではみんなどんなことしたいという話しをしていて内心現実離れしてる内容ばかりで、もっと現実に目を向けてそんなうまく話しが行くわけないのに何でわかんないのとか、バカな奴だなとしか思ってなかったけど、そういう話しをしたくなる気持ちがなんとなくですがわかって来ましたが、これからもそんな話しに加わらず現実に目を向けて過ごして行きたいと考えています。

半分を過ぎたらこれから時間が経つのが今までの倍以上の早さで経過して行き、出所のことを想像して行かなければまた失敗してしまうので、これからしっかり考えて行くことが必要だと感じています。
きっと昔のままなら出ても闇バイトとかに応募して強盗や詐欺に加担して再び犯罪をし、次はどのようにうまくやろう、人さえ殺さなければそんな長くは食らわないだろうと考えていたと思うけど、今はしっかり働くこと、刑務所なんかで暮らしていて得することなんてないし、世間からどんどん遅れを取り損することばかりだから建設関係でもとにかく働いて、変な考えを起こさないよう生活をして行く環境を築いて行くことがとても重要なんだと考えるようになりました。
現実はそう簡単ではないのかも知れないし、まだまだ甘いのかも知れないしだけど、昔の自分ならこんな事一切考えなかったし、出たらどんな犯罪をして金を稼ぐかとしか考えなかったから、そこはこの13年で大きく成長した点だと思いました。
これから先10年を切り5年を切り、出所が現実となったとき焦ることがない様に、今からの過程が将来に繋がると思うので、大事に日々を過ごせたらと考えています。それではカエルメイトの皆様それぞれの施設で色々大変なこともあると思いますがお身体を大事にしてお過ごし下さい。  

       令和5年11月12日  

 

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