ほんにかえるプロジェクトでは受刑者会員から「絵や書を公開してほしい」との声があり、昨年末から募集し、5月末までの応募期間で計8名の応募がありました。応募数は意外に少なく、初回というのもあり皆さん様子見しているのかなと思います。
応募締め切りを5月末としましたが、応募には多々不備があり、それら確認のやり取りで時間掛かりまして、やっと揃いました。応募作品数はお一人1点と想定していましたが、何枚も送ってくる方が多く、今回の選考は一人2枚まで掲載する事にしました。

今回、この「PRISON GALLERY 応募作品投票」のページは一般には非公開にて、かえるPJのボランティアの方達に、トータル14点の応募作品の中から、1点気に入ったものを投票して頂きたく作成しました。
※各、作品はクリックすると拡大表示されますので、大きい画面で是非ご覧ください。

応募方法 : 下記応募フォームから、ご応募ください。
お名前(非公開)と、作品ナンバー(各作品に赤い文字で表記してます)を1点セレクト。
作品への感想コメントをお書き頂きいただける方は、ご記入いただけると有り難いです。コメント頂ける事は受刑者の励みにもなります♡
※尚、このコメントは本人にお伝えし、HPや冊子に掲載する場合ございますのでご了承ください。
お名前はいずれも伏せさせて頂きます。

投票期間 : 7月12日金曜から・・延長中
この期間に投票された方のみ、投票数としてカウントいたします。

尚、応募作品の中で投票の多かった1位には賞金¥3000-
2位から5位までは「かえる賞」として¥1000円-の賞金を(預かり金、もしくは切手)、お渡しいたします。追って、これらの応募作品はHPやnote、インスタ等で公開する予定でおります。
皆様のご協力の程、宜しくお願いいたします。

ほんにかえるプロジェクト・サユリ

PRISON GALLERY 応募作品投票

A289-1

作品名/白鳥
画材/水彩絵の具

この絵はカレンダーの写真から描きました。白鳥と海の濃紺、海に映った嘴(くちばし)を美しく感じました。よく見ると白鳥とは真っ白ではなく少し汚れているのかとか首の丸みに光の陰があるのか、など新しい発見がありました。ほんの少し海に光が当りキラキラした感じを出したかったのですが、あまりうまくいきませんでした。外でしたらこんなときは、カッターナイフで削るようなのですが、さすがにそのようなものはなく、単に白色を重ねる程度で残念です。また遠近感を出したくて手前を濃く奥に行くにつれ淡い色相をと気を付けたつもりですが、まだまだ初心者でついつい濃くなってしまいました。この加減が難しかったです。

A289-2

作品名/子犬
画材/水彩絵の具

この絵は図鑑の中の写真からです。頁をめくっていて一瞬で子犬の魅力に取り憑かれました。子犬のひたむきな戻る姿を描きたかったのですが、ちょっと大人っぽい子犬になってしまいました。ゴールデンレトリバーは割と鼻筋が通っているのですが、ちょっと長かったかなとか、睫(まつげ)に光が当たった感じを白で表現したかったのですが無い方が子犬の感じが出たのかなとか、反省点もいろいろです。またバックは草色のイメージを出したかったのですが奥行きが無くなったかもわかりません。一枚一枚に描いてるときの思いや苦労、後悔があるのですが、仕上がってみると愛着がわきます。

A323-1

作品名/Love is just complicated(愛は複雑すぎる)
画材/黒・赤ペン、シャーペン

私には愛してくれた人が居ました。彼女は待つ身の苦しさ、寂しさ、辛さを一言も口に出しませんでした。別れて時が経つ程に彼女の苦労が分かる気がして、きっと涙した日もたくさんあったはず。その思いをマリリン・モンローで表現して、懲役の外で支えてくれる人の愛や優しさを、いつまでも忘れないように。伝えられなかった感謝を絵にしました。

A323-2

作品名/THUGLIFE
画材/黒・赤ペン、シャーペン

刑務所で限られた物品(シャーペン・ポールペン)で、限られた規則の中での最大表現です。「THUGLIFE」とは私が尊敬する2パック(米ラッパー)の言葉で「何もない状況の中あらゆる苦難に遭遇しながらも、それに立ち向かう人物」や、THUGLIFEを頭文字としてThe Hate U(you) Give Little Infants Fucks Everybody…お前が小さな子供に与える影響が憎悪が社会をダメにする…という意味です。私は養護施設で育ち、この意味が痛い程分かります。そして黒人の歴史を心からリスペクトしています。世界に平和を祈って。

A343-1

作品名/希望(あのトランザム)
画材/水彩絵の具

心境/これは刑務所に来てすぐ落胆してふさぎ込んでいた私の目に鮮烈に飛び込んで来た、所さんのトランザム。カッコイイ!! と感じたその後ろ姿を描きたくて手掛けた。段々とボディに海が見えた気がして、ヨシと思った。ドアの青、ダックテールフィン。アスファルト、タイヤの質感。ホイールやバンパーの金属質が出せればと工夫。一番気に入ってるのはガレージの奥の暗さ加減。手前のターンテーブルは良く表現できた。フロントのアルミは2時間位かかった(笑)。所さん本人に見てもらえたら嬉しいと思う。

A343-2

作品名/GSX1100R(Twin)
画材/ボールペン・シャーペン

初めて2台並べて描いた作品。単色でどこまでいけるかと、痛みだった。プロの絵とカラーの写真を並べてモノクロに変換したけども技術云々よりその変換作業が痛かった(笑)。ぼちぼち描いて2〜3ヶ月。風防(カウル)の肌感に苦労をし、何ならムキ出しの方が簡単だとさえ思え、まあ良しかなと思う。単色では10作品目位なので、肩に力が入らずに出せたかと思う。GR400・CBR250のドライブ経験が生かせたのかも。まだまだ課題は残る作品だ。

A058-1

作品名/地元愛
画材/水彩絵の具

群馬県出身者ならほとんどの方が知っている”鶴舞う形の群馬県”という、群馬県の地図の形を見ると鶴が舞っているような形に見えることから群馬県を知ってほしいとの思いから、この作品を作りました。

A004-1

作品名/故郷を思う
画材/色鉛筆

この絵の恐竜は私です。近いようで遠い故郷の地球、一日も早く帰りたい。毎日この丘に立って眺めています。今はこの環境で生きて行くしか有りません。置かれた場所で一所懸命に生きるしかないと思って描きました。

A004-2

作品名/わかってください
画材/色鉛筆

社会で熱帯魚と金魚が大好きで飼っていました。あの優雅に泳ぐ姿を見ていると心が落ち着いたのですが、ふとあの金魚達を狭い水槽で飼っていた私は本当に金魚が好きなのか?と思ってしまいました。私が今辛く悲しい事が有り、涙を流せばすぐに気付き周囲の人達は心配するでしょう。でもあの金魚達の涙を今の私が見ること、気付いてあげる事が出来るのかなと思いました。日々自分一人の事で精一杯で近くにいる人達の気持ちを理解し、もっと思いやりを持ちたいと思いました。

A377-1

作品名/マリリン・モンロー
画材/色鉛筆

マリリン・モンローを描きました。何かの権利に抵触するかもしれません。選べられない可能性は大きいです。ですがその時の絵描きたい対象、心にしたがって愛を込めて描きました。カラフルのも好きですがモノトーンの表現はもっと好きでデッサンは得意。光と陰、白と黒の空気感”リアリティ”うまく説明できないが、そういう感じです。

A311-1

作品名/たびだち
画材/色鉛筆

卒業や出所して行く友を見送る寂しさと嬉しさからくる心境です。

A311-2

作品名/再出発
画材/色鉛筆

サユリさんが考えている様に昇級みたいなことです。目標の一つを達したので、もう一歩前に気合いの様な気持ちで、自身を鼓舞する意味合いです。

A356-1

作品名/All or Nothing
画材/水彩絵の具

渚みつきちゃんの作品パッケージがベースになっています。JKの制服のスカートの長さはこの絵の長さが最もベストなのです。これはエロの視点ではなくて、最近の世間の流れとしてヒザくらいの長さが多く見られますが、それは本当に重いし暗いのです。かなり明るめのカラーと軽い素材であればいいですが、大体制服というのはその逆ですからバランスが悪いのです。むさくるしくあつ苦しい、つまりダサいということです。寓意をちりばめてありますが、机の上の手錠は囚われの身であること、札束は逮捕保釈から今まで、さらに現在進行形で現存していっている資産を表しています。損失は増えつづけていますので画面から切れています。大事に抱えているのは私の分身ともいえる身分帳。

A356-2

作品名/A super girl(came from a different planet to save Ukraine)
画材/水彩絵の具

去年、文芸コンクール用に描いたものです。ウクライナの勝利を願う抗戦平和の絵です。題名はとてもながいですが、画面上の寓意はそれによって解ります。ちなみに金賞を受賞しました。(水彩画の部)